釧路新聞社社告

21日から新連載小説

 ご愛顧いただいている安部龍太郎・作、永井秀樹・画による「家康 知名篇」は12月20日に終了し、12月21日から西條奈加・作、瀬知エリカ・画による時代小説「婿どの相逢席」が始まります。江戸で6代続く仕出屋に婿入りした鈴之助が妻とともに奮闘する、人情味あふれる物語です。忙しい毎日にほっと和める時間をお届けします。 

 〈作家の言葉〉抱負は親しみやすさ、分かりやすさ。時代小説はとっつきづらい、と感じる読者が、無理なく読める物語が、私にとっての理想です。舞台は仕出屋、いわば料亭の前身であり、江戸の食文化には欠かせぬ存在でした。目だけで恐縮ですが、江戸の食を愉(たの)しみつつ、仕出屋に縁付いた婿どのの奮闘記を楽しんでくだされば幸いです。

 西條奈加(さいじょう・なか)1964年北海道池田町生まれ。2005年「金春屋ゴメス」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年「涅槃の雪」で中山義秀文学賞、15年「まるまるの毬」で吉川英治文学新人賞を受賞。「三途の川で落としもの」「ごんたくれ」「隠居すごろく」、また「まるまるの毬」の続編「亥子ころころ」など、多彩なテーマの時代小説、現代小説を手掛けている。